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IPH工法(内圧充填接合補強)

IPH工法
繰り返される補修の連鎖を断ち切る
一度補修した構造物が早期に劣化することが問題になっています。
IPH工法(内圧充填接合補強)はコンクリート構造物の再劣化防止対策に有効な工法です。劣化進行の原因をしっかり取り除くことで、コンクリート構造物の長寿命化は可能です。
こちらでは、再劣化防止対策に有効なIPH工法(内圧充填接合補強)についてご案内します。
Construction method
IPH工法(内圧充填接合補強)とは
経年劣化や地震などにより傷んだコンクリート構造物の「強度回復」「長寿命化」を実現する技術
IPH工法
従来の低圧樹脂注入工法では、樹脂がコンクリート表層部の修復に留まり、構造体内部の耐力回復まで達することができませんでした。
本工法は、コンクリート内部に存在する空気と注入樹脂を置換し、穿孔した穴の内部から放射状に樹脂を拡散することにより、末端の微細クラックまで充填することができます。鉄筋とコンクリートの付着強度を高めるだけではなく、高い防錆効果も得られ耐久性の向上に繋がる工法で、土木学会から技術評価を得ており、工法特許も取得しています。

IPH→【Inside Pressure Hardening】/和訳【内圧充填接合補強】
 特許・技術評価

  • 特許 第5074118号(コンクリート構造物への注入充填材の注入方法、及び注入方法に使用する注入器)
  • 特許 第5941585号(コンクリート構造物への注入充填材の注入方法、及びその注入器)
  • 土木学会 技術評価認定取得 第0020号
  • 国土交通省(NETIS)CG-070007-V登録(掲載期間2007年~2018年3月)
  • 首都高速道路の新技術
  • 東京都新技術データベース(建設局・港湾局)
  • 広島県長寿命化技術活用制度(区分3 推奨技術)
  • 茨城県新技術情報提供データベース「IT'S」(積極活用技術)
  • 静岡県新技術・新工法データベース(レベル3)

用途

コンクリート構造物の補修・補強
土木
橋梁・トンネル・ダム・堤防
建築
建築基礎・外壁・耐力壁・タイルの浮き
その他
地下構造物・各種基礎・擁壁・
エレベーターピット
工法開発会社
〒733-0861 広島県広島市西区草津東1丁目11-51
TEL.082-273-6954/FAX.082-272-7276
IPH工法(内圧充填接合補強)は特許工法です。
施工代理店のみ施工が可能で、当社はIPH工法(内圧充填接合補強)による実績を重ねています。
Merit
IPH工法(内圧充填接合補強)による注入効果
IPH工法施工現場
IPH工法(内圧充填接合補強)施工現場
IPH工法施工現場
IPH工法施工現場

空気と注入樹脂の置換

コンクリート内部にも空気が存在します。
注入時には樹脂漏れを防止するため、表面を密封します。そのため、躯体内部の空気は逃げ場がなくなり、注入の圧力に抵抗するものとなります。
この抵抗する力が、注入材の侵入を阻害する要因となっています。
注入位置を穿孔し、JP台座及び注入器(IPHカプセル)を取り付け、注入器のジャバラキャップのスリット部から注入開始時に躯体内部に存在する空気を抜き取り、注入樹脂と安定的に置換することが可能となります。

高密度充填

空気と注入樹脂を置換し、0.06±0.01~0.02N/mm2の超低圧で注入するため、高密度・高深度に充填が可能となり、計測実績ではひび割れ幅0.01mm程度までの充填が確認されています。

鉄筋防錆・中性化抑制

注入により鉄筋沿いに樹脂が充填されるため、鉄筋の防錆効果を高めます。
また、微細な空隙に樹脂が高密度に充填されることから、空気・ガス・水分等がコンクリート内部に侵入することを防ぎ、中性化や塩害・ASR(アルカリ骨材反応)の抑制効果も期待できます。

強度回復・耐久性向上

圧縮強度及びコンクリートと鉄筋の付着強度が回復し、耐久性の向上も期待できます。
また、欠損部補修後に注入を行うことで、既存躯体部と欠損部補修材を一体化させることにより、再劣化の防止対策となります。

経済性の向上・環境対策

本工法で施工された構造物はその後の補修間隔を延ばすことが可能です。劣化部分は斫り落とさず、そのまま補修・注入を行うため解体殻が減少し、コスト削減が図れます。また、サンディングや穿孔に使用する機器は騒音や振動など周辺環境に配慮したものになっています。道路・鉄道・空港等、多くの施設は供用の妨げを最小限にして施工することが可能です。
Flow
ひび割れ補修施工手順
1 表面清掃
躯体表面をVDRダイヤモンド吸塵システムで研磨し、劣化部・ひび割れ部を調査したのち、注入ポイントをマーキングします。
2 穿孔
マーキングした注入ポイントを水循環型のIPHミストダイヤで穿孔します。(標準)穿孔径:φ7.0/穿孔深さ:50~100mm
3 台座取り付け
穿孔した穴にJP台座をピックアップシールで取り付けます。
4 ひび割れシール
注入時の樹脂漏れを防ぐため、ひび割れ部をピックアップシールで密封します。
5 注入
JP台座にIPHカプセルを取り付け、専用のエポキシ樹脂(E-396H)を注入します。
※短時間施工で高速硬化が必要な場合は、アクリル樹脂(A-396MSC)を使用します。
6 加圧硬化養生
IPHカプセルのスプリングが加圧した状態で養生を行います。
7 撤去
IPHカプセル・JP台座を撤去します。
8 表面処理
VDRダイヤモンド吸塵システムで清掃を行い、ひび割れ注入跡を補修します。
9 表面仕上げ(推奨)
IPH#300を塗布し表面を平滑にした後、無機系通気型撥水塗材セラブレンドP-5000で塗装仕上げを行います。
※表面仕上げは必要に応じて施工します。